令和6年1月1日からの贈与の注意点

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令和6年がスタートし、はや1ヶ月が経過しました。令和6年から気をつけるべき贈与税のポイントがあります。

それは「生前贈与加算」の期間が延長されたことです。

「生前贈与加算」とは簡単にいうと、相続開始日前3年以内に贈与した財産については、その贈与はなかったものとされ、
相続財産にプラスして相続税を計算しなさいというものです。亡くなる直前の贈与は相続税対策にならないということですね。
例えば以下のようなケースが該当します。
(例1)
・相続開始日 令和5年10月1日 相続財産5,000万円
 〇 現金贈与 令和4年10月1日 300万円
 〇 現金贈与 令和2年10月1日 90万円
 ☆ 現金贈与 平成30年10月1日 200万円

この場合は、〇印部分の令和4年の300万円と令和2年の90万円が生前贈与加算として相続財産にプラスされますので、相続税は5,390万円を基に計算されます。
なお、この際に納めた贈与税については、相続税から差引かれます。
☆印部分平成30年の80万円については、3年以上前になりますので、プラスする必要はありません。

ただし、令和5年までに行われた贈与は、この期間が3年だったのですが、令和6年1月1日からの贈与については7年に期間が延ばされました。
ただし、この延長された4年間については計算方法が異なります。この4年間の間に受けた贈与については、総額100万円までは生前贈与加算の対象にはなりません。
例を挙げると以下の通りです。
(例2)
・相続開始日 令和14年10月1日 相続財産5,000万円
  〇 現金贈与 令和13年 10月1日 110万円
  〇 現金贈与 令和12年 10月1日 100万円
  ◎ 現金贈与 令和10年 10月1日 300万円
  ◎ 現金贈与 令和8年 10月1日  90万円
  ☆ 現金贈与 令和6年 10月1日  100万円

この場合は、相続開始前3年以内の贈与である令和13年と令和12年の合計210万円はそのままプラス。
相続開始前3年~7年の期間の贈与である令和10年と令和8年の合計390万円から100万円を控除した290万円が相続財産にプラスされます。
従って相続税は5,500万円を基に計算されます。
令和6年に贈与した財産は令和13年にならないと相続税の計算からは外すことができません。3年と7年では大きな違いですね。
ある程度の年齢になってくると、7年後のことはなかなか計画が立てにくくなります。
私の勝手なイメージですが、60歳を超えたら生前贈与を考えなければならないなと感じました。
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